コロナショック:ドイツやアメリカのばらまき政策

よく、『コロナショックなので、日本もドイツやアメリカのように 国民にもっとカネをばらまくべき』という主張をする人がいる。

はっきり言って、それらの国は日本とは、事情が異なる。まずドイツは消費税が19%である。日本よりも税金が高いのである。だから、国の財政状態も日本よりも余裕がある。

一方 アメリカは、そもそも医療保険分野では国民皆保険ではなく、平時に、国が負担する医療費が少ない。また、アメリカは日本よりも容易に企業が雇用者を解雇できる法体系である。つまりは、もともと政府が医療費を負担しない分だけ、国の財政が潤沢なのである。その一方で、労働者が解雇されやすい法体系であり、また銃社会でもあるので、国や州政府がカネを出さないと、治安が悪化しやすい。

その点 日本は、法制度上、企業が容易に労働者を解雇できない。一方で、平時、医療分野での政府の負担が大きい。さらには、国民一人当たりGDPに比べて、国民一人当たりの国債残高が大きく、政府にカネがないのである。

コロナショックでの日本の財政破綻リスク

新型コロナにより営業自粛が依然として一部の都道府県で続いている。そして政府は国民全員に一人当たり10万円を配布することを決めた。

筆者自身は、以前の法案である低所得者層の世帯に30万円を給付する方が 国の財政的にも低所得者層に対しても有益だと思う。

そもそも、日本はもともと財政状態に余裕がなく、国債残高が増え続けている。政府には金がなく、借金だらけなのである。国債は国の借金であり、返済せねばならないし、金利も払わなけばならない。政府の借金が増えつづければ、子や孫の世代に負担をのこす。政府のカネがなくなり、世界中の投資家からの信用を失えば、いずれ国は財政破綻し、インフレがおこる。

そもそも、富裕層やコロナショックで給料が減らない公務員にもカネを配らねばならないのであろうか?またコロナショックでむしろ売り上げを上げた会社もある。そういった会社の従業員は給料が増えている。そういった給料の増えた会社の従業員にもカネを配らねばならないのであろうか?

国民全員に10万円配るより、本当に困っている世帯に30万円配ることが予算も少なく、少なくとも国の財政安定化に寄与するのではなかろうか?

政府は 『富裕層は受け取らない』と思っているが、多くは受け取るだろう。また、カネを配るからには、財政を維持するために本来なら増税しなければならないのだが、現在の日本の民主主義の状況を見るに、そう簡単に増税はできないであろう。

一方、現在は年金データや所得税申告や源泉徴収データや住民税のデータ、健康保険料や国民健康保険料などで、ある程度、政府や自治体は国民の個々人の経済状況は知っているはずである。それらのデータを統合して、スーパーコンピュータを使いAIで判断させれば、コロナショックで経済的に芳しくない人は AIで抽出可能である。すべて手作業で行うような50年前とは異なるのである。そもそも日本のスーパーコンピュータは 本来そういう時のためにあるのではなかろうか?

政府は 手間がかかるというが、何千万世帯に申請書を印刷し郵送するよりは、本当に困窮している数百万世帯に申請書を配布し給付する方が結局、本当に困窮してる人に早く届く気がする。

そもそも手間というが、現在は、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、国民健康保険料などは すべてデータ化されており、そのデータをコピペし、各人を紐づけし、検索抽出するだけである。 仮に、特定の低所得者層がそのデータから漏れているとしても、現在、多くの自治体が行っているように、自治体は 低所得者向けの一人10万円程度の無担保無利子の融資を大至急、個人に直接行えば可能であろう。

いずれにしても、政府のカネのばらまきは、非常に危険である。