団塊ジュニア世代と少子化

団塊ジュニア世代が、子供をつくらないことが、少子化の原因と言われている。

ではなぜ団塊ジュニア世代は結婚をせず、子供をつくらないのか。
世の中的には団塊ジュニア世代はバブル崩壊後の就職氷河期と長い不景気により、所得が少なく結婚できなかったといわれている。本当にそうだろうか?
もちろん、その理由も否定できない。しかし そればかりが理由ではないだろう。

そもそも結婚観と家族観が変わってきているのである。
まず団塊ジュニア世代の親である団塊世代は第2次世界大戦の終戦直後に平和になったことから、解放感と将来の明るい未来を想起させたために生まれた世代である。
そして団塊ジュニア世代は、その団塊世代が結婚したために生まれた世代である。団塊世代の結婚は半分程度が恋愛結婚で、半分がお見合い結婚か会社の上司に勧められたようなお見合いに準ずる結婚であった。

しかし団塊ジュニア世代の結婚はお見合い結婚の割合は少なく、ほとんどが恋愛結婚である。団塊ジュニア世代の部下を持つ上司は下手に部下に『結婚してないのか?紹介するよ。』などといえば、セクハラと言われかねない。1990年代後半以降、男女雇用機会均等法(1986年施行)がようやく世の中に浸透し男女平等の社会になりつつあった。また、1990年代後半以降社会全体が そういう状況なので、お見合いで結婚することは、団塊ジュニア世代は、あまり、前向きにならない。

そもそも、団塊ジュニア世代の家族像とはどのようなものか。一般に団塊ジュニア世代は、家で肩身の狭い思いをしている父親世代をみている。団塊ジュニア世代の父親世代は、いわゆる仕事人間が多く、朝早くから夜遅くまで働き、住宅ローンをかかえ、家では、奥さん(つまり団塊ジュニア世代の母親世代)の尻に敷かれているような状況だ。その上に子供の教育にカネがかかるなど、父親世代の結婚生活にはあまり良いイメージがない。つまりストレスをかかえた父親世代をあまりに見すぎてしまったのである。
これは、もちろん団塊世代の父親の世代でもあったことであろうが、団塊世代の結婚はお見合いなどで、社会も家族を結婚を半強制的に促す風潮があった。まあこれは、『家』や『一族』といった子々孫々と受け継ぐ農家や地主、あるいは商家なども多かったからかもしれない。だからこそ、団塊世代の半分程度の結婚がお見合いなのであろう。

一方、団塊世代の男性の職業は、都会のサラリーマンが一般的であり、住宅ローンをかかえて大都市の郊外に一軒家を持つような人々が大多数である。そして、団塊世代の実家は地方で、現在、子々孫々代々受け継ぐような家も墓もすでに遠い親戚が維持するか、家は放置され空き家になり墓は無縁仏になりつつある。現在、団塊世代はいまだ、元気に暮らしており、多くは都会での墓は持っていないか、もしくは墓を持つつもりはなく、樹木葬や無墓での自らの供養をも検討している。

いずれにしても、団塊ジュニア世代は親の世代である団塊世代の生活をみており、一族を背負うというような重みはない。守るべき家も墓もないのだから。

たとえ、団塊ジュニア世代がそこまで考えていなくとも、40年前よりも現在は独身男性が暮らしやすい環境なのである。40年前の独身男性は家事と仕事の両方はできなかった、もしくはできたとしても両方をやることは大きな負担であった。2016年の現在は洗濯機も食器洗い機もあるし、24時間営業のコンビニに行けば料理をせずとも、食べていける。こう言っては何だが、コンビニの総菜や弁当は、下手な料理よりもはるかに美味い。つまり一人ぐらしでも十分やっていけるのである。コンビニは40年前とは状況が大きく異なる。40年前は、外食産業も少なく、家事と仕事は両立が難しいし、かつては、洗濯一つとっても、一人ぐらしの男性は大変だった。今の洗濯機は洗濯から乾燥まですべてやってくれる。

そういった複数の理由が結婚する人が減り、少子化が進んだ理由だと考える。

また韓国や台湾でも少子化が進んでいるので、必ずしも景気が悪いことだけが日本の少子化の原因とは思えない。つまり、バブル崩壊後の所得の低下だけが少子化の原因ではない。